今日の論語一日一章「齊一變至於魯、魯一變至於道」

 今日は6月30日(日曜日)です。6月も今日で終わりです。朝8時半に起きて、西バイパスのコロナまで5月に1000円で購入してあったチケットの有効期限なので、9時からの「真夏の方程式」を観にプリウスで出かけました。映画は面白かったけど、中学生の娘が殺人犯すという設定は少々無理があるように感じました。福山雅治演ずるガリレオ博士の謎解きは予想のつくもので意表をつく展開はありませんでした。それでもひと月の区切りの日に気持を切り替えて映画をみるというのはいいものでした。
 
 さて、今日の論語一日一章は、第6篇「雍也第六」の第22章「齊一變至於魯、魯一變至於道」(斉一変せば魯に至らん、魯一変せば道に至らん)です。孔子の時代、斉の国は、人々は専ら功を建て利を得ることにばかり務め、功を誇りにするあまり、仁義を詐ることを喜ぶ風潮を改革することを曰い、魯に対しては、人々が礼儀の教えを重んじ信義を尊ぶ先王の遺風がまだ残っているけれども、もっとその教えを振興発展させる一変が必要だと説いています。

 この章の原文はこうです。
 「子曰、齊一變至於魯。魯一變至於道。」
 また、読み下し文はこうなります。
 「子曰はく、斉一変せば魯に至らん。魯一変せば道に至らん、と。」
 ここで、この章の中国語簡体表記はこうです。
 「子曰,斉一变至於鲁。鲁一变至於道。
Zǐ yuē, qí yī biàn zhìyú lǔ. Lǔ yī biàn zhìyú dào。」
 さらに、この章の日本語訳はこうなります。
 「孔子が曰はれた。今日の斉(せい)が一変して、専ら功を建て利を得ることをつとめるのを改めて礼儀の教えを重んずるようにし、功を誇り仁義を詐(いつわ)ることを改めて信義を尊ぶようにするならば、今日の魯国ぐらいになるだろう。今日の魯国が一変して衰えた政治を盛んにし廃れた風俗を興すならば、先王の善美を尽くした道に至るであろう。二国の政を執る者は今日の状態を一変するようにしなければならぬ、と。」
 この章の語句・語彙の解説はこうです。
 斉魯;孔子の時代の斉と魯国のことをいっています。
 道;ここでは、先王の道のことをいっています。つまり、理想的な道のことです。
 この章は、斉魯の二国が速やかに先王の善美を尽くした道に至ることを望んだものです。太公が斉を治め、周公が魯を治めた時は、斉も魯も先王の道をもって治められていたけれども、孔子の時には斉は人々が専ら功を建て利を得ることをつとめて、功を誇りに仁義を詐ることを喜ぶようになり、魯は昔ほどではないけれども、まだ人々が礼儀の教えを重んじ信義を尊んでいて、先王の遺風が残っていたからでもあります。
 同じく「一変」と謂っても、斉の一変は改革であり、魯の一変は振興であります。於道