今日の論語一日一章「孟之反不伐、奔而殿」

今日は6月21日金曜日です。参院選の投票日まであと1カ月となりました。このところ爽やかな天気になりません。曇りの日が多く、雨こそ降りませんが、いつ降っても不思議でない天気です。今日は1ドル97円50銭台で推移しています。週の始めは94円台にまで円高が進みましたが、このところ少し円安傾向のようです。
 今日の論語は、驕り高ぶる気持をなくし、わざと隊列の最後を走り、見かたをまもるくらいの気概を持てと、孔子が説いているくだりでっす。人より偉くなろうとする心を廃し、私心を捨てて、正道を歩むことによって、奢った気持がなくなると説いています。

 今日の論語一日一章は、第6篇「雍也第六」の第13章「孟之反不伐、奔而殿」(孟之反伐らず、奔りて殿す)です。
 「子曰、孟之反不伐、奔而殿。将入門。策其馬曰、非敢後也。馬不進也。」
 これの読み下し文はこうなります。
 「子曰はく、『孟之反伐(ほこ)らず、奔(はし)りて殿す。将に門に入らんとす。其の馬に策(むち)うちて曰はく、「敢へて後れたるにあらず。馬進まざるなり。」と』。」
 これの中国語簡体表記はこうなります。
 「子月,孟之反不伐,奔而殿。将入门。策其马曰,非敢后也。马不进也。Zǐ yuē, mèng zhī fǎn bú fá, bēn ér diàn. Jiàng rùmén. Cè qí mǎ yuē, fēi gǎn hòu yě. Mǎ bù jìnyě。」
 この章の日本語訳はこうなります。
 「孔子が曰われた、『人は功に伐(ほこ)り易い者であるが、孟之反は功があっても伐らなかった。戦いの敗れた時は軍の後ろにいて、敵を防ぎながら引き上げるのを功とするのであるが、孟之反は魯の軍が敗走した時、自ら殿(しんがり)となって、敵の追撃を防いで、味方を守りながら引き上げ、将に魯の城門は入ろうとする時、己の乗っている馬を鞭で打って、「我は殿(しんがり)をしたのではない。この馬が進まなかったのだ。」と言って、少しも己の功に誇らなかった。』と。」
 この章の語句・語彙の解説はこうなります。
 伐(ほこ)る;誇る。
 奔(はし)る;敗走すること。
 殿(でん);しんがり。軍隊の最後にいること。退軍の時最後にいて敵を防ぎ味方を守るのである。。
 この章は孟之反が曰うには、「人が能く他人よりえらくなろうとする心をなくするならば、私欲は日に消えて正道が日に明らかになるから、おごりたかぶる事などはなくなる。学問して己を修めることを知らない者は常に他人よりえらくなろうとする心を忘れる時がない。孟之反のごときは手本としてよい人である。」と。