クリスマスイヴはひとり静かに

 昨日は新幹線で八戸に行き、会議が終わった後の忘年会で「八海山」の純米大吟醸を呑んできました。浅石先生が差し入れてくれた持ち込みの酒です。冷で呑みましたが、とてもうまかったです。コクのある清水のような味でした。鴨鍋、鮪刺身、握り鮨、茶碗蒸し、甘エビのムニエル、鱈のみそ焼きもありました。私は宴会で生ビールは飲みませんでした。痛風の発作が怖かったからです。毎日、痛風の薬は一錠だけ飲んでいますが、酒やビールを飲んだ日の深夜や翌朝、痛んだりはしませんが、少し違和感が残るからです。
 家に帰って、酒が残っていたため、デスクに向かっても頭が重いので、ノンアルコール、ノンカロリー、ノン糖分の缶ビールを2本飲みました。清涼飲料水を飲んでいるみたいです。
 
 おかげで、今朝はすっきりした気分で目覚めました。今日は妻が仕事のため、日中はひとり家でクリスマスイヴです。昼は福士食堂でラーメン定食のラーメン大盛を食べました。いつものように、とてもおいしかったです。
 さて、今日の魯迅箴言は、「只要是地位」です。
 「 只要是地位、尤其是利害一不相同、則両国之間不消説、
  就是同国的人僴之間、也不容易互相了解的。」
 「 地位、殊に利害さえ違えば、国と国との間はいうまでもなく、
  同国人の間でも相互に了解しにくいのである」
 この箴言は、非常にわかりやすいです。要するに、地位や特に利害が異なれば、国家間の関係はいうまでもなく、同じ国の人の間でも相互理解はむずかしい、といっているのです。つまり、国家間の利害が異なれば、戦争に容易になりうるし、国家と国家においては立場の違いが相互理解の妨げになるし、そのことは同国人同士でも同じことである、という内容です。
 このことは、同じ日本人であっても、同じ朝鮮人(韓国人)であっても、よくいえることです。立場の違いや、利害関係が異なれば、相互理解は難しいし、本当に人間同士が理解し合うためには、立場(体制)の違いを乗り越え、利害関係を超越しなければならないことになります。自分たちの立場(体制)、権益に固執し、しがみついている限りは、人類はともに生き延びることはできないと説いているのです。
 最近のもっとも端的な動きはアメリカです。巨額の財政赤字抱え、自動車・電気・化学等の製造業の不振にあえぐアメリカは、37年ぶりに原発の新規建設にゴーサインを出しました。いまやアメリカは、日本と韓国を巻き添えにして、運命共同体としていかなければ生き延びることはできなくなっているのです。危険を顧みず原発推進に踏み出そうとしています。オバマの限界です。アメリカの当面の警戒国は中国です。その米中の緩衝地帯として朝鮮半島北朝鮮と韓国があるのです。その一方の拠点の北朝鮮金正日総書記が12月17日に死にました。これはまさに、中国にとっても、アメリカにとっても衝撃だったと思います。韓国はもちろん厳戒態勢に入っています。その割には、日本は暢気だと思います。
 チェルノブイリ原発事故でソ連・東欧は崩壊し、3・11東日本大震災福島原発事故で日本も体制維持ができなくなるのは必定だと思います。そのときアメリははたして助けてくれるのでしょうか。橋下徹大阪市長大阪都構想など国と地方の確執など、そんな状況でないことは、2012年以降に放射能被爆による放射線障害者の続出によって、いっきょにふっとんでしまうのではないでしょうか。つぎに原発事故が起これば、世界は破滅するでしょう。戦争によらない、原発事故により、核爆発が続出するのです。日本で、アメリカで、韓国で、中国でという具合です。そんなことは起こり得ないと誰が断言できるのでしょうか。
 魯迅は医学では中国は救えないとして仙台医専を辞め東京に戻り、文学・文化・文明を学び、文学を通じ故国に帰って中国を救おうとしました911年、魯迅30歳のとき辛亥革命が起き、清朝は崩壊したのです。しかし、魯迅ははたして文学で中国を救えたのでしょうか。中国を救うのは難しいということは、彼の小説がよく物語っています。
 2012年はまさに、日本においても文学で日本が救えるのか、問われる年だと思います。私はそのことを考えながら小説を書くことにします。