北京の魯迅博物館を拝観した記念に三冊の本を購入しました。
一冊目は、「魯迅箴言」(=「魯迅の言葉」)です。この本に大江健三郎が「『魯迅箴言』に寄せて」と題して、序文を寄せていますので、紹介します。
「魯迅の小説・エッセイの一篇、一篇は、世界の近代・現代の散文の王である。その一行、一行を選ぶとそれは、最良の詩集となる。
私が森のなかの村から都市の学校に向かう朝、母親が黙って魯迅の短編小説をくれた。最初の帰省をすると、――「故郷」を読んだか、と訊ねられた。
こうして私は文学と出会い、社会で生きる基本姿勢を教えられた。私がこれまでに経験した、もっとも不思議な幸運。2010 新春」
二冊目は、短編集『故郷』。この本には、「故郷」、「薬」、「孔乙己」、それに「芝居村」の4篇がおさめられている。大江健三郎の母親が上京の際にくれた本である。
三冊目が、『阿Q正伝』である。
三冊とも漢和対照の本である。私はこの三冊をじっくり読むことにしたい。魯迅の理解のためと、私の中国語の理解を深めるためにだ。
毎日の小説4枚書きのノルマが軌道に乗り出したら、新しいノルマに加えるつもりだ。
写真は、魯迅博物館の前庭にある魯迅の胸像。