今日の論語一日一章「事君盡禮、人以爲諂也」

 今日の論語一日一章は、第3篇「八佾第三」の第18章「事君盡禮、人以爲諂也」(君に事ふるに礼を尽くせば、人以て諂へりとなす)です。
 これの漢文原文はこうです。
 「子曰、事君盡禮、人以爲諂也。」
 また、これの読み下し文はこうなります。
 「子曰く、君に事(つか)ふるに礼を尽くせば、人以て諂(へつら)へりとなす。」
 さらに、中国語簡体表記はこうなります。
 「子曰,事君尽礼,人以为谄也。」
 ここで、この章の日本語訳はこうです。
 「孔子がいわれた。わしが君に事(つか)えるのに当然なすべき礼を尽くすのを見て、他の人はこれを君に媚び諂うのだという、と。」
 また、この章の語句・語彙の注釈は次の通りです。
 尽くす;欠きもせず増しもせず、すべき事だけをすることをいいます。
 諂ふ;礼を越えて寵愛を求めることをいいます。
 この章は、孔子が君に事(つか)えるのに当時の風俗の衰えたのを歎じたところです。
 今と同じように、世が末となって、人情が軽薄になると当然なことが当然でなくなるということを、二千五百年前に孔子が言っています。