今日の論語一日一章「君使臣以禮、臣事君以忠」

 今日の論語一日一章は、第3篇「八佾第三」の第19章「君使臣以禮、臣事君以忠」(君、臣を使ふに礼を以てし、臣、君に事ふるに忠を以てす)です。
 この章の漢文原文はこうです。
 「定公問、君使臣、臣事君、如之何。孔子對曰、君使臣以禮、臣事君以忠。」
 また、読み下し文はこうなります。
 「定公問ふ、『君、臣を使ひ、臣、君に事ふること、之をいかん。』孔子対へて曰く、『君、臣を使ふに礼を以てし、臣、君に事ふるに忠を以てす。』、と。」
 さらに、この文の中国語簡体表記はこうです。
 「定公问,君使臣,臣事君,君,如之何。孔子对曰,君使臣以礼,臣事君以忠。」
 ここで、この章の日本語訳はこうなります。
 「定公が孔子に問うた。『君が臣を使い、臣が君に事えるにはいかなる道によるべきものであろうか。』孔子が答えた。『君は礼をもって臣を使い、臣は忠をもって君に事えるべきものであります。』と。」
 この章の語句・語彙はこうです。
 礼;粗略にしないことをいいます。
 忠;まごころを尽くして欺かないことをいいます。
 この章は、君臣の道を明らかにしたものです。
 定公は魯の君で名を宋といいます。昭公の弟です。
 上の者は下の者に対して敬意を欠き易く、下の者は上の者に対して誠意を欠き易いものであるということをいっています。