今日の論語一日一章は、第4篇「里仁第四」の第16章「君子喩於義。小人喩於利。」(君子は義に喩る。小人は利に喩る。)です。
これの、漢文原文はこうです。
「子曰、君子喩於義。」
また、これの読み下し文はこうなります。
「子曰く、君子は義に喩(さと)る。小人は利に喩る。」
次に、この文の中国語簡体表記はこうなります。
「子曰,君子喻於义.小人喻於利。」
また、日本語訳は次の通りです。
「孔子はいわれた。君子は正しい道理に循(したが)うから、心の喩(さと)るところはただ義にある。小人は欲に從うから、心の喩るところはただ利にある。故に君子は事に触れて義を行おうとし、小人は事に触れて利を謀ろうとする、と。」
ここでの、語句・語彙の注釈は次の通りです。
君子;人格のすぐれたひとのことをさしています。
喩(さと)る;奥深くまで知ることをいいます。
義;正しい道理のことです。
小人;人格の劣った人のことをいいます。
この章は、君子と小人との喩(さと)るところの異なることを述べたものです。
朱子語類に「義に喩り利に喩るは、只是一時、伯夷は飴を見て、『以て老を養うべし』といい、盗跖は飴を見て、『以て戸枢に沃(そそ)ぐべし』と曰ふが如し」とあります。