論語一日一章「先行其言、而後従之」

 この頃、冷たい雨がよく降ります。一気に秋が深まり、冬の到来が近そうです。石油ストーブの準備と冬物の支度ができました。自転車で事務所へ行けないのが、残念です。今年の冬は、家での仕事が多くなりそうです。気持は冬籠りで小説書きと日課論語魯迅箴言読みに集中できそうです。

 今日の論語一日一章は、第2篇「為政第二」の第13章「先行其言、而後従之」(先づ其の言を行ひて而して後之に従ふ)です。
 これの漢文原文はこうです。
 「子貢問君子。子曰、先行其言、而後従之。」
 この章の読み下し文はこうなります。
 「子貢君子を問う。子曰く、先づ其の言を行ひて而して後之に従ふ。」
 また、中国語の簡体表記ではこうなります。
 「子贡问君子。子曰,先行其言,而后従之。」
 この章の日本語訳はこうなります。
 「子貢が孔子に君子の何たるかを問うた。孔子が言われるには、『君子は言わない先に行って、行ってから後に言うものである。』と。」
 ここで、語句の意味、解釈は次の通りです。
 君子;ここでは、人格の完成した人のことである。
 この章は、言よりも行いを先にすべきことを述べたのであります。
 子貢は、孔子の弟子の中でも弁才のある人でしたから、行いが言に及ばない幣に陥り易いと孔子が考えてこう諭したものと思われます。孔子の語は、子貢のこうした弊害を救うために投じた薬とも言えます。世の口先は達者でも、実行のこれに伴わない人たちは、毎日この語を三誦すべきかもしれません。